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Fashion

2025.08.08

[INTERVIEW] 韓国が生んだバッグブランド BLANKOF (ブランコフ) とは

南貴之 氏も認めた機能美。デザイナーのWON氏にインタビュー

[INTERVIEW] 韓国が生んだバッグブランド BLANKOF (ブランコフ) とは

Content

現代の目利きが選んだバッグブランド

新旧混合・少数精鋭のストイックなモデル展開

ユーザーに耳を傾けるデザイン哲学

機能性7割、デザイン性3割

現代の目利きが選んだバッグブランド

Photo : 福士順平 Junpei Fukushi
Text : 武井幸久 Yukihisa Takei(HIGHVISION)

BLANKOF ブランコフ WON

先日、クリエイティブディレクターの 南貴之 氏の手がけるGraphpaperグラフペーパー) と、韓国のバッグブランド BLANKOFブランコフ)によるコラボレーションバッグがリリースされた。

BLANKOF ブランコフ WON

セレクトショップバイヤー、ディレクターとしての経験も長く、別レーベルFreshServiceフレッシュサービス)でも多彩なアイテムを取り扱う南氏は、プロダクト選びにおいて独自の審美眼を持つことで知られている。

特に彼が選ぶコラボレーション先は、すでにスタンダード化しているものにとどまらず、まだ評価の定まっていないブランドやプロダクトも多く、それらが事後に活性化するケースもよく目にする。その数々の実績から見ても、南氏は今の日本のファッションにおける突出した“目利き”のひとりと言えるだろう。

その南氏がGraphpaperとの協業で選んだバッグブランド、しかもこれまで日本では馴染みの薄い韓国ブランドということで、BLANKOFも今後注目率が上がるはずだ。BLANKOFは日本での知名度こそまだないが、2011年にスタート以降、着実に実績を積み重ねたブランドであり、いよいよ日本に本格上陸が待たれるフェーズとなっている。

BLANKOF ブランコフ WON

今回、BLANKOFの代表であり、デザイナーであるWON氏が日本での初の展示会のために来日。そのタイミングで、日本では初となるインタビューが当メディアで実現した。BLANKOFとはどのようなブランドなのか。WON氏本人の言葉から紐解いていく。

新旧混合・少数精鋭のストイックなモデル展開

BLANKOF ブランコフ WON

BLANKOFの特徴は、シンプルなデザインと高いユーティリティにある。そのように表現をされるバッグは世間には多いが、BLANKOFのバッグにはそこに“ファッション性”も宿っている点が見逃せない。

特に生地には強いこだわりがあり、独自に開発したオリジナルファブリックを全モデルに採用。密度を高め、光沢が抑えられたマットな質感のナイロンで、その手触りは少しカラッとした独特なものとなっているが、韓国名産の「韓国海苔」をアレンジした素材名になっているという点もユニークだ。カラーも現在のところはダークトーンを基調にしており、物静かな佇まいはシンプルな幅広いファッションにもマッチする。

BLANKOF ブランコフ WON

「私はミリタリープロダクトや建築物などを参考にしながら、家具や椅子をデザインするような気持ちでバッグデザインに取り組んでいます。名作と呼ばれるようなチェア、ドイツのバウハウスデザイン、ディーター・ラムスによるBRAUN(ブラウン)のプロダクトなどにもインスパイアされていますが、そこに共通するのは、“ユーザーが何年でも使えることに誇りを持つ”という想いです」

確かにBLANKOFのバッグにはそれらに共通するプロダクト哲学が感じられるが、それは展開モデル数の少なさにも表れている。15年近く継続しているブランドであるにもかかわらず、BLANKOFが1年間にリリースするバッグのモデルは「9型」。それも旧作と新作合わせての9点なのだという。

「9型という数字は、ソウルにあるBLANKOF専用の提携工場で作れるキャパシティを考えた上での数量なのですが、10ではなく9という発展性を秘めた数字が好きで、こだわっています」

通常ブランドというのは、成長するほどにレンジも増やしていく傾向にあるが、このBLANKOFの姿勢はかなりストイックと言える。こういう点が確かにWON氏の言う「インテリアをデザインするような感覚」という考え方にも共通していると言えるだろう。

ユーザーに耳を傾けるデザイン哲学

BLANKOF ブランコフ WON

BLANKOFが現在展開しているラインナップの中には10年以上前に生み出されたものも多いという。ただし旧作をそのまま継続するのではなく、微細なアップデートを繰り返しているそうだ。

「おそらく写真で見てもアップデートしているポイントは分からないと思います。ファスナーの高さ、ポケット内側の構造、生地の内側のクッション性など、本当に小さな部分を改良しています。ただ、そのモデルを使ってきたユーザーが、アップデートされたモデルを手にすれば分かるはずです。自分で使っていて気づく改良点もあれば、ユーザーの声がヒントになることもあります」

実際WON氏は、ネット上のBLANKOFのユーザーコミュニティに自ら入っていくことで、そうした改善ポイントを常に模索しているという。これは「インターネット社会の韓国ならではかもしれない」と本人も分析しているが、そのコミュニティから判明する主なユーザーは、クリエイティブな職種の人に加え、作家、医者なども多いという。

1985年生まれ、現在40歳のWON氏は、一直線にバッグデザイナーになったわけではない。高校生の頃にはすでに「バッグブランドを作ること」を将来のリストには入れていたが、そうするためにあえて紆余曲折の職業を経験したそうだ。

「最初はイラストの勉強をし、営業、物流の倉庫、エキシビションの運営などもやってきました。中でも勉強になったのはカスタマーセンターの電話オペレーターです。プロダクトを作るには、最終的に消費者の気持ち、心理を知ることが重要だと思っていたので、意外にもその経験が現在も役に立っています」

BLANKOF ブランコフ WON

デザイナー自らが自分の作ったプロダクトを着用、使用することでアップデートに繋げているブランドは珍しくはない。しかしこのWON氏の「耳を傾ける姿勢」こそが、BLANKOFのバッグのクオリティ向上に一役買っていることは間違いなさそうだ。

機能性7割、デザイン性3割

BLANKOF ブランコフ WON

少し余談になるが、実際インタビューでWON氏から話を聞いていると、そのプロダクト同様、かなり実直な姿勢とコミュニケーションを重視する姿勢が伝わってくる。WON氏のプロファイルが窺えるユニークなエピソードは、今回のGraphpaperとの協業に至るまでの話を聞くと納得する。

「私は多くの日本ブランドからも影響を受けていますが、特に南さんには昔から影響を受けています。最初にお会いしたのは8年ほど前です。私はセレクトショップもやっているので、最初はGraphpaperを取り扱いたいと思い、南さんに日本語の手紙を書いてコンタクトし、韓国でお会いしました。そして自分がバッグブランドをやっていることを知って欲しくて、もう一度手紙を書きました」

BLANKOF ブランコフ WON

WON氏が書いたという手紙は、韓国語でも英語でもなく、日本語。「絵をなぞるような感覚で書いた」という、拙い日本語で執筆された手紙を受け取った南氏が心を動かされたことは想像に難くない。その後二人は親交を温め、今回約8年越しにコラボレーションに至ったという。特に南氏は、専門の提携工場でオリジナルファブリックも開発する様子を熱心に見学していたそうだ。

世の中にバッグのブランドは数多あるが、専門の提携工場を持ち、ここまでプロダクト数を絞って展開しているブランドは少ない。しかも「出しっぱなし」ではなく、ユーザーの声に耳を傾けてアップデートを繰り返しているという点は、マスプロダクトとしての責任感も強く感じる希少なメーカーとも言えるだろう。

インタビューの最後にWON氏に「機能とデザインのバランスをどのように考えているのか」を聞いた。

「機能性7割、デザイン性3割くらいの気持ちで作っています。機能性を重視し過ぎると、モノとして大きくなってしまったり、“業務感”も出てしまいます。機能性を最大限に重視しますが、そこをサポートするものとして、デザイン性を加えています。そのバランスを考える上でも、ユーザーとのコミュニケーションは大切なのです」

これから徐々に日本でも注目率が上がりそうなBLANKOF。もし見つけたらぜひその手で触ってみることをオススメする。

BLANKOF ブランコフ WON

[CONTACT]
BLANKOF
https://blankof.com
https://www.instagram.com/blankof/

[編集後記]
今回初めてBLANKOFのバッグに触れてみたが、デザイン性と機能性が噛み合い、さらに自分の荷物量に合ったサイズ、必要とする収納スペース、そして普段の服装などを考えると、かなり自分の理想に近いものを感じた。さらに言えば「常にアップデートを繰り返している」という姿勢にも非常に好感が持てた。日本において韓国ブランドというのはあまり馴染みがないが、10数年前に自分がHelinoxのチェアを初めて手にした時のような、「これは来そうだな」という感触をBLANKOFのバッグから感じることが出来た取材でもあった。(武井)

WON氏のデザインにも影響を与えた、ディーター・ラムスがデザインしたBRAUN(ブラウン)のシンプルなアラームクロック(現行商品)はAmazonでも販売中↓

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