vファッションで「ファン付きウェア」はアリ? | EDITORIAL | highvision Magazine

Follow us

Mail magazine


 

Editor’s blog

2025.07.28

ファッションで「ファン付きウェア」はアリ?

近年リリースされたアイテムから編集人が検証する

ファッションで「ファン付きウェア」はアリ?

Content

5年前から進化したファッションの「ファン付きウェア」

meanswhile、RICOエアファン、そして梶原由景さんのLOWECASE×URBSも空調服®とコラボレーション

[結論]ファン付きウェアはファッション的に「アリ」なのか

今後期待したいアップデートポイント

5年前から進化したファッションの「ファン付きウェア」

5年前の夏、この編集人ブログで一つの投稿をしていました。

それが「ついにワークマンで 空調服 に手を出した話[編集人ブログ]」です。

これは5年前の猛暑(とはいえ、あれからずっと暑いですが)に耐えかねて、家の近所にあるワークマンで「寅壱」のファン付きウェアを購入したことを書いたもの。意外にも大きな反響をいただきました。

その最後に「今後どこか良きデザインのところがこの規格の中でニューデザインを出してくれることに期待します。」と書いていました。あれから5年。「ファン付きウェアとファッション」を取り巻く環境はどのように変化しているでしょうか。

ちなみに「ファン付きウェア」はこうした製品の一般総称で、「空調服®」はパイオニアである(株)セフト研究所・(株)空調服の登録商標。これはアメリカのE.H.ホッチキス社製の「ステープラー」が日本で「ホッチキス」と言われるようになったように、ファン付きウェアの代名詞となりつつあります。今回挙げる3つのブランドも空調服®のシステムを使っているので、すでにファン付きウェアのスタンダード、と言えそうです。

ちなみにオフィシャルサイトに載っている空調服®の開発秘話、結構面白いです。

meanswhile、RICOエアファン、そして梶原由景さんのLOWECASE×URBSも空調服®とコラボレーション

相変わらずの暑さは続いていることもあり、その後ファッションブランド各社から、デザイン性が考慮されたファン付きウェアが登場しています。

藤崎尚大さんがデザインするmeanswhileミーンズワイル)からは、“Air Circulation System Rain Jacket”。これは従来の空調服®として着用できるベストをベースに、その上に袖とファンカバーが一体化したパーツを重ねて取り付けることでレインウェアとして使用可能にしたもの。「ファン部分から外気を吸い込む機能が雨とは相性が悪く、市場でもレインウェアと空調服の機能を両立させている製品はあまり投入されていない」という現実から、デザイン発想でそれを解消しつつ、ファッションとしても成り立たせています。

meanwhile Air Circulation System Rain Jacket

 

6月に紹介して反響が大きかったのは、スタイリストの望月唯さんのメディアHHHEADS SHOPから出る速乾Tシャツ型空調服®RICO AIR FAN”。これも長年ファッションに取り組んできたスタイリストならではの、ファッション発想のファン付きウェアになってます。現在クラウドファウンディング中なので、来春に着ている人を見かけることも増えそうです。

RICO AIR FAN 空調服 望月唯 スタイリスト

そしてつい最近リリースされたのは、クリエイティブディレクターで、コンサルティングファームのLOWERCASE を主宰する梶原由景さんが、URBAN RESEARCH BUYER’S SELECT とタッグを組んでリリースした“LC×空調服AIRCOOLING VEST”。これは「某アウトドアブランドが米軍に納入し、一般には流通しなかった幻のアイテムにインスパイアされたデザイン」になっており、ファッションのシーンでさまざまな異業種コラボを手掛けてきた梶原さんらしいデザイン・アウトプットになっています。

梶原由景 LOWERCASE URBS URBAN RESEARCH BUYERS SELECT 空調服Ⓡ

こうして見ると、クリエイターの方々のセンスと努力によって、ファッション×ファン付きウェアは健常に進化し、徐々に一般化しつつあると言えると思います。

[結論]ファン付きウェアはファッション的に「アリ」なのか

で、結局本題の「ファッションでファン付きウェアはアリなのか?」という問いかけに対する編集人の答えはどうなるかというと、結論から言えばもちろん「アリ」。ただ、どちらかと言えば、「アリにするしかない」という感覚の方が近いと思います。

その第一の理由は、この「夏のどうにもならない暑さ」。実際に着用してみると分かりますが、やっぱり着るとその快適さは実感できます。作業現場の方の着用が増えているのも当然で、そういう便利なギアが以前編集人が買った「寅壱」のモデルよりも格段に見た目の良いモノにアップデートされているわけですから、現時点で「買い」であることは間違いないです。

今年自分も梶原さんプロデュースのベストを着用し始めましたが、以前の「寅壱」のベストを着てアパレルの展示会は行けないなと思っていた自分も、このモデルなら全然行ける!という感覚です(※寅壱さんを下げているわけではありません!)。こうして行動範囲を広げてくれる見た目の部分、つまりデザインもファッション的には“機能”のひとつなのです。

梶原由景 LOWERCASE URBS URBAN RESEARCH BUYERS SELECT 空調服Ⓡ

 

ファン付きウェアのウィークポイント

ここでなぜ「アリにするしかない感覚」なのかを説明しておこうと思います。つまり現状のファン付きウェア(のシステム)のウィークポイントです。

このファン付きウェアを着て、外からエアコンのある室内に入ると、一気に汗が引いていく感覚を味わえます。

「?」と思ったファン付きウエア未体験の方。そうなんです。このファン付きウェアの機構は、外気をそのまま取り込んでいて、特に空気が冷却されているわけではないので、茹だるような暑さの中では、その暑い空気も入ってきます。そういう温度の時で、風が吹いている時ならば、意外にも「脱いでいる方がマシ」だったりするのです。だからファン付きウェアの効能を実感できるのは、外気が人間の体温よりも低い状態であることがポイントになります。

どうしても気になるのは、やはり重量と異物感です。服に2つのファンとバッテリーが付くのが「ファン付きウェア」なので、それだけ重量も出ますし、布だけの服と比べると両脇背中の方にファンの突起がある異物感があります。あと、外気を取り込んで膨らみが出るので、どうしても体積も出て、見た目は太ったような印象に。ここをどう捉えるかをデザイナーの方々も相当悩んだと思いますし、ユーザーが導入出来るかどうかのポイントになるでしょう。

と、正直ベースで上記に書きましたが、それでも現時点においての酷暑対策として、ファン付きウェア、「空調服®」は有効です。前述したように、デザイン的な見た目も随分解消されて来ているものも出ているわけですから。

今後期待したいアップデートポイント

大きなる期待を込めて、個人的にファン付きウェアが「こうなったらいいな」というポイントを書いておきます。

① ファンの部分がもっと薄型になれば嬉しい

ファンの内側の部分は、山なりの形状になっていて、内側に出っ張っています。おそらく薄い状態だと、中の服とくっついてしまったりするのだと思いますが(違ったらすみません) 、これがもっと薄くなれば、着用時の異物感は軽減されると期待します。今でもかなり努力されての結果だと思うので、贅沢は言えませんが。

② 普通のUSB TYPE-C充電に対応して欲しい

空調服®はバッテリーで稼働するわけですが、そのバッテリーの充電方法が専用ケーブルからの給電になっています。これがUSB充電、USB-Cからの充電が出来るようになればもっといいのに。正直充電機器をこれ以上増やしたくない人は多いはず。あと、使っていない時にはケータイなどの充電にも併用できるようになればさらに便利なのに。

③ 入ってくる空気を冷却して欲しい

前述したように、ファン付きウェアの機構は外気をそのまま取り込んでいるので、外気が暑ければ、熱い空気が入ってきてしまいます。これをファンの部分に何かを”かます”ことによって多少冷却ができれば…と無茶を言っておきます。いや、きっと出来るはず。

期待を込めての言い方になりますが、現在の「ファン付きウェア」はまだ発展途上だと思います。今後の浸透、技術の進化によってさらに進化するはず。その時に「ファーストペンギン」だった各ブランドのウェアを購入した人が無駄にならないように、付け替えができる設計でのアップデートを切に願います。

とりあえず編集人は、この夏をLC×空調服AIRCOOLING VESTで乗り切ろうと思います。

今回の記事を読んで、「まずは空調服®のシステムを買ってみようかな」と思った方は、下記Amazonでも売っているのでご検討を。

「空調服®スターターキット」はAmazonでも販売中

Amazonのアソシエイトとして[highvision magazine]は適格販売により収入を得ています

Editorial

Mail magazine

購読はこちらにアドレスを入力するだけ。
お得な情報や厳選した記事を中心に
程よい頻度でお届けします(月2回程度)


 

Highvision STORE

ここでしか買えない
“ワンランク上のスタンダード”
コラボレーションアイテムなどを販売します

検索候補

highvision Magazine 2020 © All Right Reserved.

Follow us

Mail magazine