[インラインの逸品]
NICENESS(ナイスネス)のフライングVトラウザー
ギターからインスパイアされた? ワイドストレートの新たな名品
プロダクト発想が生むデザイン
先日東京・恵比寿に待望の直営店もオープンしたNICENESS(ナイスネス)。2017年のブランド誕生以来、“良いものはいい”というシンプルなコンセプトを突き詰め、かなりこだわった作りが高く評価されている。
通常アパレルブランドは、一つのシーズンで起用する素材や手法は複数のアイテムに落とし込んでシーズンでラインナップ展開することが多いが、NICENESS のコレクションは、プロダクトごとに素材や手法を細かく厳選している印象が強い。“コレクション発想”というより、“プロダクト発想”であることがNICENESSの強みと言えるかもしれない。
そのNICENESSが2024AWにリリースし、デリバリーとともに売り切れたという実績を誇るのが、今回紹介する“フライング V トラウザー”の続編モデル。

音楽カルチャーから生まれた、裾を擦らない新設計
モデル名の“フライングV”と聞いて、ギターのあの形を想起した人は、なかなかの音楽好きだ。そう、このモデルはあのエレキギターの名品、フライングVから発想されたという。

実際に「1960年〜70年代の音楽シーンに刺激を受け、デイブ・デイヴィス(Dave Davies)、マイケル・シェンカー(Michael Schenker)、キース・リチャーズ(Keith Richards)、マーク・ボラン(Marc Bolan)、そしてジミ・ヘンドリクス(Jimi Hendrix)の使用していたフライングVギターからインスパイアされたデザイン」とブランドからもプレス情報が共有されており、「無意識的にスタイルをつい追いかけてしまうギタリストたちの多くはフライングVを使っていたからか、あの特殊な形状を洋服に落とし込みたい衝動に駆られました」とデザイナーも語っている。
ミュージシャンのスタイルや音像にインスパイアされてコレクションが出来上がることはよくあるが、プロダクト作りにおいて、彼らの使っていたギターにフォーカスするあたりの発想がユニークだ。
このパンツのシルエットはワイドストレート型のスラックスをテーパードさせているが、その名の通り、バックヘムをV字にカットすることで、前裾に生地が溜まり、後ろ裾はカットが自然と開くように設計されている。

それによってフロントの裾は少しシューズの上に溜まり、バックの裾は地面に擦らないように穿くことが可能。「リラックスした雰囲気でスラックスを穿きたい、でも裾は擦らないようにしていたい」という服好きたちの願望を、音楽カルチャーからのインスパイアによって実現させたというのはNICENESSの自由な発想力を物語っている。

2025AWシーズンは、メリノウールのTOPカラーと先染めのブラックリネンを使用した生地を採用。仕上げでエアタンブラーを施すことで、着古したような丸みのある雰囲気を表現している。

リリースは2025年8月〜9月頃。今回紹介したモデルの他に、同型生地違いで2種類リリース予定とのことなので、気になる人は早めにチェックを。
[INFORMATION]


NICENESS
フライングVトラウザー “S.SCHENKER”
¥93,500
[CONTACT]
ELIGHT Inc.
TEL : 03-6712-7034
info@elight.jp
https://www.niceness.jp/
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